磨きのプロが100均グッズで靴磨き
本日は靴磨き屋がダイソー商品で靴磨きをするとどうなるか?という実験企画です。
実験企画は前回の鏡面ベース以来なので結構久しぶりですね。
しかし100均の靴クリーム使って磨いてみた!とかダイソーのワックス使って鏡面磨きしてみた!とかいうことはいろいろな方が既に擦りまくっているので私は使う道具を全てダイソーで揃えた本気磨きをやっていきます。
クリーム、ワックス、ブラシ、鏡面磨き用のクロスまでダイソーで調達。私にはこれぐらいのハンデがあってもいいでしょう。
ちなみに本気の磨きとは当店のスペシャルシャインコースに相当するケア+鏡面(つま先、かかと、サイド)のフルコースメニューのことです。
プロがダイソー商品で果たしてどこまで仕上げられるのか。そして各商品のレビューも同時に行っていきたいと思います。
さっそくやっていきましょう。
ダイソーアイテムだけでこれだけ揃う
今回購入した商品はこちら
・靴クリーム
・ワックス
・ブラシ(馬毛、豚毛)
・磨きクロス
・スウェード調はぎれ
・コットンパフ
近くのダイソーで揃えてみたんですがすごいですね。十分すぎるほど道具が揃ってしまいました。
スウェード調のはぎれは全体のツヤ出しと鏡面部のぼかし用に、コットンパフは鏡面の仕上げ用にと考えています。
しかしこれもうプロとか関係ないですね。ハンデとかもないです。これだけ揃えば誰でも磨けます。
最近のダイソースゲー!
そして鏡面磨きの際のネル生地をどうするかということが今回一番の懸念事項だったのですが普通に磨き用コットンがあるんですね。
これだけあれば結構良い仕上がりになりそうなので逆に楽しみです。後は1つ1つが普段使っているものと比べてどれだけ使えるかですね。
磨いていきます
では磨いていきましょう。
今回磨くのは当ブログの「実験くん」でもおなじみのジャランスリワヤの黒のストレートチップです。
もうボロボロです。実験されすぎて色抜けも激しいですね。
埃落とし→クリーム塗布
まずはこちらの馬毛ブラシで全体を軽くブラッシングしていきます。ささっとで大丈夫です。
全体の毛量が少ないのはやや気になりますが柄がついているので持ちやすくて結構使いやすいかもしれません。
続いてクリームを塗布。
絵の具のチューブのようです。
乳化性で成分はろう、油脂、有機溶剤。配分や細かい成分は別として一般的に販売されているものと内容は同じです。
指につけてみます。
匂いは若干溶剤臭がするぐらいであまり感じません。塗ってみましたがクリームのノビはあまりよくないですね。
ブラッシング→ワックス塗布
全体にクリームを塗ったので豚毛ブラシでブラッシングしていきます。こちらは化繊ではなくきちんと豚毛を使用しているようです。
使ってみましたが、毛量が少ないのと毛足が短いというところであまり力をこめられず正直かなり磨きづらい。
ブラッシング後は余分なクリームをコットンクロスでふき取ります。
こちらのクロスは後の鏡面磨きの時にも使う予定です。
クリームのふき取り程度では問題ないのですがなかなか毛羽立ちがすごく繊維が舞うので鏡面磨きに使う際はその点が少し心配ですね。
ここまでの仕上がりはこんな感じです。
クリームですがツヤは控えめで少ししっとりした仕上がりです。指についたクリームの色がなかなか抜けなかったので補色力はわりとあると思います。
鏡面磨き
さあ、ここからが本番です。靴磨きの花形でもある鏡面磨き。
本当は黒があればよかったのですがなかったのでこちらのニュートラルワックスを使います。
カルナバワックスが配合されており溶剤臭さもほぼありません。
柔らかめのワックスでノビも良くて使いやすい。というか今回購入した商品の中で出来の良さは群を抜いている気がします。
つま先、かかと、サイドと全体に塗ったのでいよいよ鏡面部分を光らせていきましょう。
先ほどのコットンクロスを指に巻いていきます。もちろんハンドラップなどは使わずに水はワックスのフタの裏を使用するクラシックスタイルです。
クロスの毛羽立ちが多く、繊維が抜けて鏡面に乗ってしまう恐れがあるためワックスは少し多めに取ります。
おぉ、なかなか光りますね。
あとは全体を同じように光らせて仕上げにスウェード調はぎれで全体のツヤ出しと鏡面部のぼかしを行えば完成。
正面から
お次はサイド
後ろはじんわり
良い感じですね。思ったよりしっかり光ってくれました。
レビュー&まとめ
さて、今回使用した道具を評価してみると
・靴クリーム・・・ △ 補色力はそれなりだがツヤの出方が不自然
・ワックス・・・ ◎ シューケアメーカーが出しているものと比較してもほぼ遜色なし
・馬毛ブラシ・・・ 〇 毛量は心もとないが柄がついているので使いやすい
・豚毛ブラシ・・・ × 毛量少ない、毛足短い、コシがないであまり使えず
・磨きクロス・・・ △ 毛羽立ちが目立ち扱いが難しい。初心者には厳しいかも。
・スウェード調はぎれ・・・ 〇 全体のツヤ出しや仕上げ用として普通に使える
・コットンパフ・・・ ー クロスで十分光ったため今回は使用せず
こんな感じです。
ご注意いただきたいのはあくまで私が普段使っているものと比べての評価だということ。
これらがすべて100円ということを考えればどれも十分すぎるくらいに使えます。
それだけにワックスの出来の良さが頭一つ抜けている気がしました。ラベルを見なければ100円だなんて誰も思いません。
光らせるのが難しい道具をプロの技でいかに光らせるか!みたいな記事を書こうと思っていた当初の思惑からはずれましたが、どれも普通に使えてびっくりです。
改めて、最近のダイソースゲー!
でも磨き屋としての本音を言えばきちんとしたクリームを使うとまた別世界が広がりますのでできればそちらを使うことをおすすめします。
今回使用した道具の使い方や磨きテクを直接教えてほしい!という方はぜひ当店へ。
↑こちらより来店予約していただければ便利ですよ!
それでは次回もお楽しみに!
「SHOESLab.TORCH」とは
「履く」だけの革靴なんてもったいない!を信条に同世代に革靴の魅力を広めるため
某一部上場企業から脱サラし、大阪福島に靴磨き・中古革靴専門店を2021年にオープン。
店の見つけにくさには定評があり日本一見つけにくい靴磨き・中古革靴専門店を逆に
目指そうかと考え中。
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