ちゃんとした革靴買いたいけどどうすればいい?
今回は革靴初心者の方が購入する際に気をつけるべきポイントをご紹介します。
過去には初心者おすすめブランドやデザインなどを具体的に紹介してきました。
今回はもう少し抽象的に、一歩引いた視点で「ちゃんとした革靴買いたいけどどこに気をつければいいの!?」といったざっくばらんな疑問にお答えしていきます。
ここらできちんとした革靴を買おうかなと思っているみなさん、こんなお悩みありませんか?
- おすすめされるブランドがたくさんあって分からない
- 革靴といえばイタリアのイメージだけど実際どうなの?
- スニーカーとサイズが違うって本当?
やっぱりそれなりの金額を出して買うものですから失敗はしたくないですよね。
その不安、私も経験したことですし、靴磨き屋をやっているとお客様からもよく耳にします。
ご安心ください。
この記事で述べることはたった3つだけ。あまり専門的なことも言いません。
そこさえ気をつければ初めての革靴選びでもまあ失敗はないかなとは思いますので最後までお付き合いください。
失敗しないための3つのポイント
さてここからは実際にこれだけは押さえておけってポイントを説明していきます。
私が提言するのはたったの3つ。
- サイズ感に気をつける
- ラグジュアリーブランドに気をつける
- イタリア靴に気をつける
たったこれだけです。
たったこれだけですがこれだけではなんのこっちゃわからないと思いますのでなぜこの3つが大事なのかを詳しく解説していきます。
サイズ感に気をつけよう!
まずはサイズ感についてのお話。
「おいおい、靴に限らずサイズ感に気をつけるのは当たり前だろ!」と言う声が聞こえてきそうですが、普段から革靴を履いている人でも意外とこれができていない人が多いです。
まずは普段あなたが革靴を履く時を思い出してください。
靴ヒモを毎回ほどいて毎回結んでいますか?靴べらは毎回使っていますか?
そんなの当たり前じゃん!と思ったあなた!
もうこの記事を読む必要はありません。お帰りください。
そんな面倒なこと毎回やるわけないじゃんと思ったあなた!
アウツ・・・・!
その時点で革靴のサイズ選びを間違っています。
革靴と言うのは履く度に毎回靴ヒモをほどいてから靴べらを使って足を入れてヒモを結ばないと履けないサイズ感が正しいサイズです。
まずは本当の自分の革靴のサイズを知りましょう。
靴屋さんや百貨店の紳士靴売り場に行けば測ってもらえるはずです。
普段履いているサイズより1~1.5cmくらい小さいサイズを提示されますがびっくりしてはいけません。
「俺の足がこんなに小さいわけがない」と意固地になってはいけません。そこは店員さんに言われたサイズを素直に受け取りましょう。
いつも履いてるスニーカーとサイズが違っても気にしないでください。そういうものです。
つまらないプライドを捨てればあなたも極上の履き心地に出会えることでしょう。
ラグジュアリーブランドに気をつけよう!
お次はブランドについてのお話。
高い革靴を買ってみようと思ったとき、普段から自分がよく見聞きするブランドで探したりしてませんか?
プラダ、ルイヴィトン、コーチ、シャネルのようないわゆる“ラグジュアリーブランド”。
そういったブランドの靴が悪いとは言いませんが、できればそこは選択肢から外してください。
ラグジュアリーブランドの革靴を買うということをわかりやすく例えると「テーマパークで数千円のボールペンを買うようなもの」です。
テーマパークで買ったボールペンって見た目はかわいいし、持っていることがステータスのように感じて見るだけで気分があがりますよね。でもよくよく考えると書き心地はそこらへんにある普通のボールペンです。
そういうことです。
書き心地と値段を考えると三菱鉛筆のジェットストリームの0.5mmが間違いなく最強なんですよ。
あなたが「ハイブランドの革靴を持っていることで気分を上げたいだけなんだ!」というのであればそれで構いませんが、履き心地や革質自体は正直そこらへんにある普通の革靴です。
同じ値段でも革靴製造を主としているメーカーと比べるとその出来は雲泥の差があると言えるでしょう。履き心地と革の質が段違いです。
餅は餅屋。鉛筆は鉛筆屋。靴は靴屋ということを忘れずに。
イタリア靴に気をつけよう!
さて、ここで少しだけ踏み込んで生産国のお話。
革靴といえばどこの国を思い浮かべますか?
革靴と言えばイタリアでしょ!
正解です。イタリアは生産量、輸出量ともに世界トップクラスでまさに革靴の国と言えるでしょう。
じゃあおすすめの靴もやっぱりイタリア製?
違います。
イタリア靴が悪いわけではないですが初心者にはあまりおすすめしません。
なぜか?
初めてきちんとした革靴を買おうと思っている方はだいたい予算3~5万円で考えておられるかと思います。
でもその金額で買える範囲のイタリア製の革靴の出来は正直微妙です。個人輸入とかすればまた別でしょうが。
あとイタリア靴ってどちらかと言うとステータスを見栄えに振っていることが多いんです。さっきあげたラグジュアリーブランドの靴なんかもほとんどイタリア製ですしね。
革もソールも結構薄目であまりガシガシ履く靴ではありません。
なので新しく良い靴を買った嬉しさのあまりそればっかり履いてるとすぐに逝きます。
ほとんどがマッケイ製法を取り入れており軽くて返りも良く、革も薄く柔らかいので履き心地自体はとても良いんですがね。
それらを全部分かったうえで購入するのであれば全然かまわないですが、なにも考えずに「革靴と言えばイタリア!」的な思考で買うことはおすすめできません。
じゃあおすすめのブランドは?
ここまであれはダメ、ここはダメと言っておいて「じゃあどこならいいんだよ!」と皆さんも腸が煮えくりかえっていることでしょう。
では初めての方におすすめするブランドをいくつか紹介しておきましょう。
スコッチグレイン
もうしつこいぐらいに毎回言ってますがドレスシューズで予算が3~5万円代であれば国産革靴一択です。
国産革靴に限定したおすすめブランド記事はこちら
その中でもこの「スコッチグレイン」は私が初心者の方に一番におすすめするブランドです。
ことドレスシューズに関して言えば履きやすさ、コスパ、手に入りやすさどれをとっても右に出るブランドはないでしょう。
私もこの靴を最初に買ったおかげで脱サラして今こうして靴磨き屋としてブログを書いているくらいです。それが良いか悪いかはわかりませんが。
とにかく失敗したくないならスコッチグレイン。できれば4万円代以上を選んでください。
さらに世界が変わります。
デメリットはカジュアルシューズはそこまでラインナップがないことかな。それくらいです。
バーウィック
お次はスペイン製の「バーウィック」。コスパのいい海外革靴ブランドとして最近メキメキと注目度を上げてきています。
こちらはそのほとんどが3万円代と手に取りやすく、ドレスラインだけでなくUチップやサイドゴアブーツ、ローファーなどの普段履きもできるラインも取り揃えているのが強みです。
東京と大阪だけですが路面店もありますし、そうでなくても全国の百貨店には置いてありますので比較的手に入りやすいかとは思います。
そして海外製ですが日本人に合った木型を採用しているので一般的に甲高幅広と言われる日本人の足にマッチしやすいのもうれしいところ。
まとめ
今回は初めての革靴を買う時に気をつけるべき3点を解説していきました。
初心者の方に向けてなるべくわかりやすく、かなりざっくりとした切り口で説明しましたがなんとなくは伝わりましたでしょうか。
今回述べたことも大事ですが失敗しないために一番大事なのは「詳しい人に聞く」ことです。
まわりに革靴好きがいたらとにかく質問してみる、いなければ近くの靴屋さんや紳士靴売り場の店員さんに聞いてみる。これが一番大事です。
聞いたらうざがられないかな?とか心配する必要はありません。革靴好きはたいがい世話焼きなのでたぶん聞いてないことまで教えてくれます。
なんだったら「買いに行くんならついていこうか?」とまで言ってきます。
すべての人がそうではないですがそういう人が圧倒的に多いです。そしてそんなお節介焼きが多いこの業界が大好きです。
もちろんご多分に漏れず私も世話焼き革靴おじさんのひとりなので分からないことがあれば当店まで足を運んでみてください。聞いてないことまでお教えしますよ。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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